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むし歯は「子どもの病気」じゃない⁉︎

むし歯は子どもの病気—。
そんなイメージの方が多いのではないでしょうか?

確かに、子どもがかかる病気の中で、鼻や眼の病気と比べると圧倒的に多いのは「むし歯」です。

しかし、ここ数十年でかなり増えてきているのが「大人のむし歯」なのです。

大人のむし歯とは?

昔は、むし歯や歯周病などで歯を失う人が多かった時代でした。ですが、だんだんと歯科治療の質が上がったり、予防が広まったりしたことで、多くの歯が残せるようになってきました。
それはそれで良いことなのですが、その残った歯にできるむし歯が増えてきたのです。これが「大人のむし歯」です。

なぜ大人のむし歯ができる?

この大人のむし歯、なりやすいのには理由があります。

大人になり歯周病の進行が進むと、歯ぐきが下がって歯の根っこが見えてきます。歯の根っこには「象牙質(ぞうげしつ)」が見えており、歯の頭の部分(=エナメル質)とはいくつか違う部分があります。

歯の頭と歯の根っこ(イラスト:歯科素材.com)

まず、色。エナメル質が白色に近いのに対し、象牙質は黄色っぽい色をしています。
そして、大事なのは「溶けやすさ」が違うことです。象牙質の方がエナメル質に比べて溶けやすいのです。

エナメル質と象牙質の溶けやすさ

ここからは少し化学的な話になりますが…
エナメル質や象牙質には、「周りの環境がこれぐらいのpHまで下がったら(酸が強くなったら)溶け出すよ」という「臨界pH」という値があります。この値が、エナメル質では5.5、象牙質では6.0~6.5となっています。つまり、周りの酸がだんだん強くなっていく(pHが下がっていく)途中で、象牙質が先に溶け出し、その後にエナメル質が溶け出すのです。

食事した後の口の中はだんだん酸性になっていきます。そんな環境の中で、象牙質でできている歯の根っこが先に溶けていき、むし歯になっていくのです。

結局何したらいい?

大人のむし歯も、子どものむし歯と同じく予防ができます。
方法も同じで、食べたらすぐ歯を磨くこと、フッ素入りの歯磨き粉を使うこと。そして糖質を食べすぎないことやダラダラ食べをしないこと。

是非、頭の片隅に入れておいてください!

参考資料

  1. 文部科学省 令和3年度学校保健統計
    https://www.mext.go.jp/content/20221125-mxt_chousa01-000023558.pdf
  1. 厚生労働省 令和4年歯科疾患実態調査
    https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf
  2. 天野敦雄, 久保庭雅恵 「あなたの知識は最新ですか?歯科衛生士のためのカリオロジーダイジェスト」, クインテッセンス出版株式会社, 2023.
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研修歯科医(1年目)。学生時代は国際歯科ボランティア・大学教育改善・学修会など様々な活動を行い、「学生ができる社会貢献」を模索してきた。関心分野は医療・医学・教育・コーチングなど。とにかく「学ぶこと」を日々楽しんでいる。

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