離乳食が進み、赤ちゃんが自分の手で食べ物を口に運ぶ「手づかみ食べ」。
親御さんの中には、「汚れるから早くスプーンに移行したい」「手づかみって意味あるの?」と感じる方も多いのではないでしょうか。
実はこの「手づかみ食べ」、歯やあごの発達、噛む力、歯並び形成などに深く関わる大切なプロセス。
この記事では、歯科的な面から見た手づかみ食べの重要性について、わかりやすく解説します。
手づかみ食べはなぜ必要?〜歯科的3つのポイント〜
1. 噛む力の土台をつくる
手づかみ食べでは、子どもが自分のタイミングで食べ物を口に運び、自然に噛む回数が増えます。
この「自発的な咀嚼※運動」は、あごの筋肉や骨の発達に直結します。
※咀嚼:食べ物を細かくなるまでよく噛むこと。
- 前歯で噛みちぎる
- 奥歯で押しつぶす
- 舌と頬で食べ物を移動させる
こうした動きが自然と身につき、将来的な噛む力を高める基礎となります。
2. 正しい歯並びを育てるための刺激になる
噛む動作は、あごの骨を内側から刺激し、成長を促す重要な役割もあります。
しっかり噛む習慣がつくと、歯がきれいに並ぶためのスペースが確保されやすくなり、歯並びの乱れ予防につながります。
また、手づかみ食べによって「口を大きく開けて食べる」「前歯でかじる」などの動きが出やすくなることで、上唇・舌・頬の筋肉バランスが整い、歯列や口元の発育にも良い影響を与えます。
3. 口腔機能の発達をうながす
手づかみ食べは「食べる」という動作を通じて、舌・唇・あごなどの協調運動(オーラル・モーター)を鍛えます。
これにより、口腔機能発達不全(食べる・話す・飲み込むなどがうまくできない状態)の予防にもつながります。
いつからいつまで?手づかみ食べの時期目安
- 開始時期:生後9〜10ヶ月頃(離乳食後期)
- 終了時期:1歳半〜2歳頃までに徐々にスプーン・フォークへ移行
たわちゃん先生子どもによってペースは異なるため、「スプーンが上手に使えるから卒業」ではなく、手づかみと並行しながら進めることが理想的です。
手づかみ食べをサポートするコツ
適度な硬さと大きさの食材を選ぶ

奥歯が生える前でも歯ぐきでつぶせる「バナナ・スティック野菜・おにぎり」などがおすすめ。
前歯・奥の歯ぐきで噛ませる意識を持つ

食材の大きさや形を工夫して、噛みちぎる動作を誘導してみましょう。
食後の口腔ケアも丁寧に

前歯の裏や歯ぐきに食べカスが残りやすいので、やさしく仕上げ磨きをしましょう。
よくある質問(FAQ)
手づかみ食べを嫌がるのですが、やらせたほうがいい?
たわちゃん先生無理にさせる必要はありませんが、少量ずつ、遊びの延長で楽しめるように工夫しましょう。
手づかみ食べが終わらないと、発達が遅い?
たわちゃん先生スプーンやフォークへの移行は個人差が大きいため、「いつまでにやめる」という焦りは不要です。
まとめ
・手づかみ食べとは、自分の手で食べ物を運んで食べる方法
・噛んだり飲み込む力を育てるだけでなく、歯並びにも良い影響をもたらす
・生後9~10ヶ月ぐらいから始めて、1~2歳でスプーンなどに移行するのが目安
手づかみ食べは、見た目以上に多くの口腔発達のメリットを持っています。
子どもの「自分で食べたい」という意欲を尊重しながら、手づかみ食べを楽しませてあげましょう。
それが、未来の健康な歯と美しい歯並びを育てる第一歩になります。

